「いびつなかたち」も私の一部│四肢障害・性被害の困難を乗り越え生きててよかったと思えるまで

「いびつなかたち」も私の一部

 

この言葉に関する大切なこと

この記事で使用している「いびつなかたち」という言葉は、筆者(私自身)が抱える先天性四肢欠損や口唇口蓋裂、乳がん全摘といった身体の多様性、および性被害による深い心の傷を、ありのままの自己として受け入れ、表現するためにあえて用いている言葉です。

これは、身体やトラウマを「欠陥」として否定する意図は一切なく、むしろ、社会から「普通ではない」と見られがちな自身の個性を肯定的に捉え直したいという、筆者自身の願いが込められています。

読者の皆さまにおかれましても、この言葉の背景にある「自己受容」のメッセージをご理解いただければ幸いです。わたしの障害について(Youtube動画)

 

「どうして私だけがこんな身体なんだろう」「あの出来事のせいで、自分は汚れてしまった」——もしあなたが、生まれ持った身体的特徴(先天性四肢欠損など)や、予期せぬトラウマ(性被害など)によって、深く傷つき、孤独を感じているとしたら、最後まで読んでみてほしいなって思います。

先天性四肢欠損、口唇口蓋裂などの身体の特徴による差別や性被害、虐待の経験は、私たちから自己肯定感を奪い、「生きる意味」を見失わせることがあります。でも、その「いびつなかたち」や「傷跡」は、あなたが乗り越えてきた強さの証でもあります。

この記事では、それらの困難を抱えながらも、どうすれば心の回復を果たし、「生きててよかった」と心から思えるようになるのか、具体的なステップと、心の専門家の私が推奨する視点をご紹介します。共に、希望への一歩を踏み出しましょう。

 

「いびつなかたち」がもたらす心の痛みと生きててよかったと思えるための土台

 

ここでは、身体的な多様性やトラウマが心に及ぼす影響を理解し、その上で自己肯定感を育むことの重要性を解説します。

 

先天性四肢欠損・口唇口蓋裂などの「身体の多様性」の定義と心の役割

 

ここでいう「いびつなかたち」とは、差別ではなく、人と違って生まれた身体の多様性のことを指します。

  • 先天性四肢欠損(せんてんせいししけっそん): 胎児期の発達過程で、手や足の一部、または全部が形成されなかった状態。
  • 口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ): 口唇や口蓋(上あご)の一部に裂け目がある状態で、複数の手術的治療が必要となることが多いです。

これらの身体の多様性を持つ人々が直面するのは、身体機能の問題だけでなく、他者からの視線や心ない言葉による「スティグマ(烙印)」です。このスティグマを内面化することが、自己肯定感を著しく低下させる主な原因となります。

 

性被害のトラウマが「生きる意味」を奪うメカニズム

 

身体的な特徴と並び、深刻な心の傷となるのが性被害の経験です。性被害は、個人の尊厳安全を根底から揺るがします。

性被害のトラウマ(PTSDなど)は、以下のような心理的影響を引き起こし、「生きててよかった」という感情を遠ざけます。

  • 自己責任論への陥り: 「自分が悪かったのではないか」と責め、自尊心が破壊される。

 

  • 身体の疎外感: 自分の身体が他者に利用された対象となり、自分の身体を「自分のものではない」と感じるようになる。

 

  • 安全感の喪失: 世界が危険で予測不能な場所だと感じ、慢性的な不安や孤立感に苛まれる。

これらの困難を乗り越えるためには、まず「被害は自分のせいではない」と認識し、自分の心と身体に対する安全基地を再構築することが不可欠です。

 

生きててよかったと思える心の回復のステップ:具体的な実践法

 

心の傷の回復はマラソンと同じようなものであり、一歩一歩進む具体的な手順があります。ここでは、心理的な安全を取り戻し、自分自身を受け入れるための実践ステップを解説します。

 

ステップA:専門家の支援と安全基地の確立

 

自己回復の第一歩は、安全で安心できる環境を確保し、孤独を解消することです。

  • 専門家への相談: 精神科医、公認心理師、トラウマ専門カウンセラー、被害者支援センターなど、専門知識を持つ人に助けを求めましょう。専門家は、あなたの経験を否定せず、非難せず、安全な枠組みの中で話を聞いてくれます。

 

  • ピアサポートの活用: 先天性四肢欠損口唇口蓋裂を持つ当事者会、性被害のサバイバーグループなど、同じ経験を持つ人々と交流することで、「自分だけではない」という深い安心感を得られます。

 

  • 境界線の再設定: あなたを傷つける人や環境から距離を置き、物理的・精神的な境界線を明確に引き直す訓練をします。これは、自分の尊厳を守るための基本行動です。

 

ステップB:自己肯定感を取り戻し、身体を肯定する成功のコツ

 

安全基地を確保した上で、次は「いびつなかたち」も含めた自分全体を愛せるようになるためのアプローチです。

  • 「身体の多様性」の再定義: 身体的な特徴を「欠損」や「欠陥」ではなく、「世界に一つしかない私」「個性のデザイン」や「乗り越えた強さの証」として捉え直します。その特徴をただ観察し、「これが私だ」と受け入れる練習をしましょう。私はこれを実践して今があります。

 

  • アファメーションの実践: 「私は価値がある」「ここは安全だ」「私は愛される存在だ」といった肯定的な言葉を毎日声に出して繰り返します。これは脳のネガティブな回路を書き換えるための重要な訓練です。

 

  • 「性被害」の経験を「自分事」から「出来事」として切り離す: トラウマは「私」という人間全体の問題ではなく、「私に起こった事象」だと捉え直します。その出来事を経験したことで、あなたはとても傷つき、苦しみに明け暮れたと思いますが、その出来事自体が「あなた自身」の価値を定義するものではないと意識することが必要です。あなたという存在の尊厳は、何があっても侵されないことを知ってください。この分離こそが、真の自己肯定感を取り戻す鍵です。

 

先天性四肢欠損・性被害者が陥りがちな間違いと解決策

私も同じ道を通ってきましたが、回復の過程では、誰もが「逆戻り」や「行き詰まり」を感じることがあります。ここでは、その乗り越え方を解説します。

 

回復を妨げる思考パターンと「生きててよかった」を遠ざける思考

 

多くのサバイバーが陥りがちな思考パターンや行動は、回復を停滞させてしまいます。

失敗パターン 具体的な思考・行動 「生きててよかった」を遠ざける理由
完璧主義 「すぐに元気にならなければならない」「完璧に傷を克服しなければ」と焦る。 回復は波がある非線形のプロセスであり、焦りが自己批判につながる。
孤立の選択 「誰にも理解されない」「迷惑をかけたくない」「恥ずかしい」と支援を拒否する。 孤独はトラウマの最も大きな敵であり、回復に必要な「繋がり」を絶つ。
回避行動の習慣化 トラウマを思い出す場所や状況を過剰に避ける、過剰にSNSで承認を求める。 根本的な問題解決にならず、一時的な気晴らしで痛みが再燃しやすい。

 

失敗を回避し「生きててよかった」を感じるためのチェックリスト

 

回復のステップを踏み続けるために、日々確認してほしいチェックリストです。

チェック項目 行動の具体例
身体の安全性 今、私のいる場所は安全ですか?(Yes/No)
感情の認識 今、どんな感情(不安、悲しみ、怒り)を何点(10点満点)感じていますか?
自己受容 今日、自分の身体の多様性を理由に自分を責める言動をしませんでしたか?
支援の活用 誰か一人でも、信頼できる人に今日の出来事を話しましたか?
休息の許可 疲れていると感じた時、無理せず休憩を取りましたか?
成功体験の記録 今日、小さなことでも「生きててよかった」と思える瞬間を記録しましたか?

まとめ:心の再生

 

あなたが「いびつなかたち」と感じているものも、先天性四肢欠損や口唇口蓋裂という身体の個性も、失った体の一部も、性被害の深い傷跡も、すべてはあなたという唯一無二の存在を構成する要素です。

これらの経験を「不幸」と定義するのではなく、「あなただけの深い受容力と共感力の源」として再定義することが、「生きててよかった」という究極のゴールにたどり着くための鍵です。

あなたは、しあわせになるために生まれてきました。これから先の人生は、あなたの尊厳を取り戻すための旅です。あなたは一人ではありません。

 

【ここまで読んでくれたあなたへ】

もし今、この記事を読んで、心が少しでも動いたなら、それは回復への準備が整ったサインです。私はいつでもあなたの味方です

 

<次の一歩:信頼できる人からの支援

  1. 性暴力被害に関する相談窓口 (例: 全国共通ダイヤル #8891)
  2. 地域の障害者支援センター
  3. 信頼できるカウンセラー・専門機関への予約

 

あなたの涙が、いつか暗闇を照らす光となりますように。

もし一人で抱えきれない時は

もし、一人で心の傷を抱えきれない、専門的なサポートを受けたいと感じたら、個別相談もしています。

こころの傷 相談室からのご案内

私は、性被害・虐待・いじめを経験したカウンセラーとして、あなたの心の回復をそっと支えていきます。安心できる場所で、あなたのペースで、
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未来をみつめて

どんなに辛い今であっても未来を見つめて

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本当はそのままのあなたで充分価値のある存在なのだから🌻

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