お母さんの言う通りにしていれば間違いはないのよ―母の洗脳・脅迫から抜け出した私の体験談と末路①

こんにちは、こころの傷相談室 代表のmanaです。
私は幼少期から虐待・いじめ・性被害・四肢障害・口唇口蓋裂・乳がんなど、数えきれないほどの試練を経験してきました。
今は心に傷を抱えた子どもや大人たちに、生きる希望を手渡す活動をしています。

この記事では、母の洗脳・脅迫・共依存の関係からどのように抜け出したのか、私自身の体験談を綴ります。シリーズ化して掲載しますね。

「母娘関係に苦しんでいる」「共依存かもしれない」と感じている方にとって、抜け出す方法をお伝え出来たらと思っています。

シリーズ後半には、母娘共依存チェックリストもつくりました。
ぜひチェックして、今の自分の状況を客観的に見つめてみてください。

 

共依存とは?母娘関係で起きる心理的特徴

共依存とは、相手に必要以上に依存し、自分の気持ちや意思を犠牲にしてまで相手を満たそうとする関係性を指します。特に母娘関係では、過干渉・支配・洗脳という形で現れることが多く、「母の意向に従わなければならない」という思い込みが強く刷り込まれていきます。

幼少期から受けたこうした影響は、その後の人生に深く影を落とし、自己肯定感の低下・人間関係の困難・選択の自由の喪失につながっていきます。

あなたも親の言いなりになって、自分の気持ちを抑えていませんか?

私の経験―幼少期の母の洗脳と暴力

母の言葉と行動

幼いころ、母はよく泣きながら私にこう言いました。
「なんで生んでしまったんだろう…」「生まなければ良かった…」

その言葉を聞くたびに、私は胸の奥が締めつけられ、
「生まれてきてごめんなさい」「生きていてごめんなさい」と心の中で繰り返す子どもになっていきました。この時から始まった私の心の傷。

母の涙と嘆きは、幼い私に
「あなたの存在価値はない」
と刷り込むには十分すぎたのです。

さらに母は、障害を持つ私にこう言いました。
「手や足を隠しなさい。見せるんじゃない」

そのたびに私は、
「私は恥ずかしい存在なんだ」
と強く信じ込むようになり、成長するほどに自分を隠す生き方を選ぶようになっていきました。

母の言葉と行動は、私の心に呪いをかけ、
「ありのままの私では愛されない」
という恐怖を植え付けていったのです。

そして日常で何かトラブルがあれば、必ずこう言われました。
「お母さんの言うことを聞かないから、そうなるのよ」
「あんたは黙って、お母さんの言う通りにしていればよかったのよ」

私は次第に、
「自分の意思を通したから失敗したんだ」
「私は自分の気持ちを出しちゃいけないんだ」
と歪んだ認知を積み重ねていきました。
その歪みに気づくこともなく…。

母は私が生まれた時から、私に何の興味もなく、私の気持ちを踏みにじり、ただ自分の思い通りにさせて満足していました。

これは自己愛性人格障害(NPD)に見られる傾向があり、心理学の領域でも指摘されている特徴と言われています。
こうした関係性の中で育った私は、知らず知らずのうちに共依存的な認知や行動パターンを身につけてしまったのです。

あなたはどうでしょうか?
私と同じように、親の言葉で自分の存在を否定された経験はありませんか?

心理学では、このような「存在の否定」や「条件付きの愛」が自己肯定感を奪い、やがて共依存の土台になると考えられています。
つまり、親からの否定の積み重ねこそが、共依存関係の始まりにつながるのです。

専門的な補足:自己愛性人格障害(NPD)と共依存

これは自己愛性人格障害(Narcissistic Personality Disorder, NPD)に見られる傾向であり、心理学の領域でも指摘されている特徴です。こうした関係性の中で育った私は、知らず知らずのうちに共依存的な認知や行動パターンを身につけてしまったのです。

  • 自己愛性人格障害(NPD):精神医学的には、アメリカ精神医学会の診断基準DSM-5に記載されている「パーソナリティ障害」の一つ。特徴に「自己中心性」「共感の欠如」「他者を思い通りに扱おうとする傾向」など。
  • 共依存(Codependency):臨床心理学・家族療法で使われる概念。正式な診断名ではありませんが、依存症やトラウマ研究の文脈で広く扱われます。特徴は「他者に過剰適応し、自分を犠牲にしてでも関係維持を優先する」こと。
  • 親子関係での関連:自己愛性の強い親と子どもの関係は「毒親」「機能不全家族」という研究領域でも扱われます。子どもは自己肯定感を失い、共依存的な認知・行動を学びやすいとされています。

※この内容は心理学的な情報の提供を目的としています。診断ではありません。ご自身やご家族に不調がある場合は、医療機関や公的相談窓口、専門家にご相談ください。

あなたはどうでしょうか? 親の言葉や態度によって、自分の存在を否定された経験はありませんか。

父からの暴力と性虐待

父との関係もまた、私の心に深い傷を残しました。
毎日の食事では、私の器に箸を垂直に突き刺さっていました。
その光景は今でも忘れられず、食事の時間はいつも恐怖と屈辱の時間でした。

さらに、父からの性虐待もありました。
身体を触れられるたびに「私は守られるべき存在ではない」「私には価値がない」という思いが強くなり、安心できる場所がどこにもありませんでした。

学校の音楽の授業で歌を歌っていても、父からの暴力の記憶がよみがえり、楽しむことができませんでした。
「同級生が普通に楽しんでいることが、どうして私にはできないんだろう」
そう自分を責める毎日でした。

心理学的に見ると、家庭内での暴力や性虐待は「複雑性PTSD」や「解離症状」につながる大きな要因だとされています。
安全であるはずの家庭が「恐怖の場」となると、子どもは安心感を失い、心と体の発達に深刻な影響を及ぼすのです。

そして、虐待を受けた子どもは「自分に原因がある」と考えがちです。
本当は悪いのは加害者なのに、「私がダメだから」「私が従わないから」と自責の念を抱いてしまいます。
これも共依存につながる典型的な心のメカニズムです。

学校でのいじめ

学校に行っても、安心できる場所にはなりませんでした。
教室で孤立し、陰口を叩かれ、持ち物を隠される。
ただでさえ家庭での居場所を失っていた私は、学校でも起きたいじめに、「完全にひとりぼっち」になっていきました。

勇気を出して先生や親に助けを求めても、返ってくるのは「お前が悪い」「自分の非を認めなさい」という言葉ばかり。
誰も私の苦しみを理解してくれず、私はますます自分の感情を飲み込むようになりました。

家庭で虐待を受けている子どもは、学校でもいじめの標的になりやすいとされています。
「自分には価値がない」という自己認識が行動や表情に現れ、無意識に「攻撃してもいい存在」と周囲に思わせてしまうことがあるのです。

また、助けを求めても救われなかった体験は、子どもに「どうせ誰にも理解されない」「私は声をあげても無駄だ」という学習(学習性無力感)を植え付けます。
この心の傷は、大人になっても「NOと言えない」「自分の気持ちを優先できない」という他人軸的な生き方へとつながっていきます。

つづきは次回シリーズ第2弾【母娘共依存からの回復―心理学・体験談・実践ワークで人生を取り戻す】でお届けします。

 

私も長い年月を経て、やっと自分の人生を歩むことができるようになりました。
もし同じように苦しんでいる方がいらっしゃるなら、どうか一人で抱え込まないでください。

私がそうだったように、あなたもきっと大丈夫です。

支援を求めることは決して弱さではなく、回復への道に踏み出す一歩です。

私は、性被害・虐待・共依存を経験したカウンセラーとして、あなたの心の回復をそっと支えていきます。


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